冷たい北風が吹いて、雪が舞い降りてきたら、しっかりとしたアウターが欲しくなります。
冬のアウターと言えばやっぱりダウンですよね。
今回はダウンの秘密を徹底的に解説していきたいと思います。
その性能や特徴を知っていただき、購入する際の参考にしてみてくださいね。
そもそもダウンジャケットとは?
どうしてあたたかいの?ダウンの機能性
ダウンジャケットの中には「ダウン」と「フェザー」という羽毛が入っています。
これらの素材が発熱する機能を持っているわけではなく、羽毛の空気を取り込む力によってダウン特有のあたたかさを実現しているんです!
地球上で最も断熱性に優れているのは「空気」
対流せず動かない空気「デッドエア」という空気の層によってダウンはあたたかく感じるようになっているんです。
重ね着することや、外気の冷たい空気をシャットアウトする二重窓もそれに基づいています。
取り込んだ空気を逃がさない羽毛の力と、人間の体温が合わさって快適なアウターとなるのです。
ダウンとフェザーの違い
「ダウン」は水鳥の胸や腹部付近にある羽毛のことを指し、放射状に伸びた羽枝を持ちタンポポの綿毛のような形をしています。
羽軸がないのでとてもやわらかく、空気をたっぷり取り込める特徴があります。
ダウンは一羽の水鳥から採取できる量が少ないので貴重な素材
「フェザー」とは水鳥の翼部分に生えており、真ん中に固い軸があり両側に羽枝がついています。
スモールフェザーとラージフェザーがあり、スモールフェザーの方が質が高いと言われていて羽軸が湾曲しているので弾力性に長けている素材です。
採取量の少ないダウンに一定量フェザーを混ぜることでコストの調整や羽毛が一か所に集まらないよう工夫がされています。
羽毛は水鳥特有の羽毛であり、ニワトリなどの陸鳥にはない。
ダウンジャケットに使われる羽毛はグース(ガチョウ)かダック(アヒル)の2種類の水鳥から採取されています。
人工ダウン!?中綿ジャケットの魅力
ダウンジャケットと中綿ジャケット、見た目では違いが判りません。
一般的に「ダウンジャケット」といえば中綿ジャケットも含まれることが増えましたが、実は全く異なる物なのはご存じですか?
中綿ジャケットとは?
ポリエステルなどの化学繊維で作られた中綿が入ったジャケットのことで、ダウンに代わる詰物として開発が進んでいます。
実はこの中綿ダウン、着る人によっては好都合なメリットがたくさんあるんです。
天然素材のダウンはあたたかい羽毛のもこもことしたボリュームが特徴で、その厚みは回避できません。
また、ダウンはメンテナンスはクリーニング店に出すなどの費用がかかる場合もあります。
一方、中綿はシート状に仕立て、厚みを抑えることができるのでダウンジャケットでもすっきりとしたシルエットで着ることができます。
中綿ダウンは撥水加工がされているものも多いので自宅で気軽に洗濯ができるなど管理面でも楽ですね。
人工ダウンの代名詞、プリマロフト
アメリカで開発された「プリマロフト」という技術は、超微細なマイクロファイバーによって多くの空気を取り込み断熱性に優れているだけでなく、水にも強いということからプリマロフトを使った中綿ダウンは高級グースダウンの代替品と言われています。
ダウン特有の着膨れが気になる方やアウトドア派でない方には中綿ダウンも選択肢に入れてみてはどうでしょうか。
ダウンジャケットはこう選ぼう!失敗しない買い方
ここまで天然ダウンや中綿ダウンのあたたかさの秘密や使われる素材について説明してきましたが、いざ店頭やネットで購入する際どこを見て判断すればいいのか迷ってしまいますよね。
そちらを徹底解説していきます!
目的と用途で選ぶ
まずダウンジャケットを着るシーンやライフスタイルを考えるのが大切です。
冬の間アウトドアに勤しむ人や屋外での移動時間が多い人にとってはダウン含有量が多いものを選んだ方が快適に過ごせるといえます。
逆に暖房設備の整った場所での使用や電車や自家用車の移動が多い場合はそれほど保温性を求めなくてもいいかもしれません。
機能性
フィルパワー
ダウンのあたたかさをはかる単位です。
フィルパワーとは同じ重さのダウンがどれだけ膨らむかを示す「かさ高」の数値です。
かさ高とは復元力を示すものでダウンボール(羽毛)が大きいほど復元力が高いので空気の含有量は多くなり、つまり暖かいということになります。
かさ高がより高いものは使用する羽毛の量も少なく済むので、軽量コンパクトに仕上がっていて登山用のダウンにも採用されています。
数値が高いものほど保温性がある
フィルパワー表記は550以上であれば十分あたたかいと言われ、700以上になると高級ダウンと認知されますが街中で着用したいときに700~900超えのものを着ると保温性が高すぎるかもしれませんので購入する際は要チェックです。
耐水性・撥水
天然素材のダウンはどうしても水濡れに弱く、化繊の中綿ダウンの方が気兼ねなく使えるという印象があります。
ですが近年各メーカーからは高級グースを使用しつつも表地にしっかりと撥水加工を施した商品が続々と提案され、耐火性や防風にも耐えうるモデルが出ています。
降雪地帯や風が強い地域など、お住まいの地域によって機能性抜群な一枚を選択できるといいですね。
デザイン性
コーディネートに合わせたデザインを選ぼう
フード付きや、スタンドカラータイプ、ロゴ入りや目を引くカラーなどさまざまなデザインが展開されています。
プライベートで着用する場合はビビッドな色使いやデザイン性のあるものを選んでも楽しいですね。
ビジネスシーンではベーシックなカラーや、アウトドア過ぎないデザインを選ぶと清潔感のある印象に見えます。
サイズはジャストサイズで
ダウンジャケットに関しては自分のジャストサイズを選ぶことをおすすめします。
大きすぎるサイズを選んでしまうとダウンと自分の身体に隙間ができてしまい、あたたかい空気をうまく取り込めなくなってしまうからです。
保温性の高いダウンを選べば中にインナーを着込む必要がなくなり、着膨れすることなくすっきりと着て頂けます。
ダウンのキルティングの意味は?
ダウンジャケットには羽毛が偏らないように畝(うね)が作られ、キルティング状になっていることが多いです。
保温性を高めると羽毛をより多く充填する必要があるので、畝の幅を広く取り、ひと山がこんもりとしたキルティングになっています。
反対に軽量を目的とした作りだと畝の幅が狭く羽毛の量も少なくなっています。
この畝の幅もダウンの見栄えに関わってくる要素ですのでどちらのデザインがしっくりくるか見比べてみるといいですよ。
鑑定士厳選!ダウンジャケットのおすすめブランド
以上の要素を踏まえてイチオシのブランドを揃えましたのでぜひチェックしてみてくださいね。
アウトドアで活躍間違いなしのブランド
カナダグース(CANADA GOOSE)
出展:ゼンオンライン楽天市場店
言わずと知れた、ダウン界では1、2の人気を争うダウンジャケットブランドです。
極寒の地カナダにてオーロラを見に行くためのダウンとして作られたともあり、その保温性は抜群です。
ファーにはコヨーテの毛を使用していてリッチなデザインに加えて耐久性もありかなりタフなダウンになっています。
サイズ展開には日本人に合わせた規格も出ているので安心してジャストサイズを探すことができますよ。
ナンガ(NANGA)
羽毛にこだわるメイドインジャパンのブランド。
選定、加工、洗浄を国内自社工場にて行い、購入後のファスナー等の修理も請け負うなどアフターフォローも完備しているようです。
ブランド独自の防水透湿素材を使用したオーロラテックスモデルや、難燃性TAKIBIシリーズなど自慢のモデルが揃っています。
クレッタルムーセン(Klättermusen)
出展:フェルマート
北欧発祥のアウトドアブランドが提案するダウンジャケットは人間工学に基づいたデザイン、繊細なデティールが特徴で保温性はもちろんアウトドアでの動きやすさも兼ね備えています。
先述した「プリマロフト」を使用したモデルもあり、伝統的かつハイテクノロジーの面も備えたブランドです。
タウンユースに最適!街でお洒落なダウン
ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)
出展:P.F.マーケット
ブランドロゴが光る「バルトロ」や「ヌプシ」シリーズは1枚でコーディネートが決まる定番ダウンですね。
カラー展開も豊富なのできっとお気に入りが見つかるはずです。
クレセントダウンワークス(CRESCENT DOWN WORKS)
出展:Carre 楽天市場店
アウトドア大国シアトル発祥のクレセントダウンワークスでは、タウンユースにぴったりなパーカー仕立てのプルオーバータイプのダウンがあります。
気軽に羽織れるデザインになっていますが、中は最高品質のグースダウンを使用しているので保証されたあたたかさです。
ケープハイツ(Cape HEIGHETS)
出展:ANTOM SIDE
2014年に日本に上陸してからじわじわと人気を集めているケープハイツ。
表面のシャカシャカ感をおさえたマットな質感と、細身のシルエットが大人っぽく見せてくれます。
トライアングルのブランドロゴがポイントになっていてお洒落ですね。
ダウンジャケットもエコの時代
いま注目されている再利用問題
使い古したダウンジャケットを燃えるゴミとして廃棄してしまうことが問題視されていることをご存知でしょうか。
環境問題の視点から、今この循環を止めようという動きが世界的に広まっています。
貴重な資源を保護し焼却の際に排出される二酸化炭素の抑制へもつながる、再利用という選択はこれからの時代にはなくてはならない取り組みだといえます。
実際に、エシカルファッションジャパン(ETHICAL FASHION JAPAN)という団体では着なくなったダウンジャケットを回収し、羽毛を取り出して洗浄をし新しいダウンジャケットへ作り変えるグリーンダウンプロジェクトという運動を行っています。
この運動に賛同する企業は年々増えていて近年のSDGsへの意識の表れが見えます。
再利用エコダウンを取り扱ったブランド一覧
セイブザダック(SAVE THE DUCK)
イタリア生まれのサステナブルアウターブランド。
ダックダウンに劣らない柔らかさと保温性を持つ独自の繊維“ PLUMTECH ”を使用したモデルは、ダウンの人気ブランド、モンクレールやタトラスに今や引けを取らない支持を獲得しています。
アーバンリサーチ(URBAN RESEARCH)
出展:丸井(マルイ)楽天市場店
グリーンダウンプロジェクトに協賛しているアーバンリサーチでは中綿にグリーンダウン、ファーはエコファーを使用しています。
店頭でのダウン回収キャンペーンやポイントバックなどの特典も豊富に行っているようです。
スノーピーク(*snow peak)
衣料品のリサイクルを積極的に行っているスノーピークでは、もちろんダウンもリサイクルポリエステルを使用するなどサステナブルに特化したアウトドアブランドです。
リサイクルといっても800フィルパワーの中綿ダウンはキャンプや登山などのシチュエーションでも十分に満足できる一品です。
ダウンジャケットの買取はセカンドスピリッツへ
今まで知っていそうで知らなかった、ダウンの性能を余すことなくお伝えしました!
自分に合ったダウンジャケットで寒い冬を快適に過ごしましょう。
ご自宅で着なくなったダウンがありましたらぜひ一度セカンドスピリッツへお問い合わせください!